ボクに溺れてⅡ

すべては自身の崇拝するレチタティーヴォとシャオンの為。
そう頭に言い聞かせて、ヴァルスはシャオンをベッドに組み敷いた。
押し倒された当人は、唐突な出来事に疑問符を出すばかり。
その無防備さに、レチタティーヴォにいろいろと感化されてしまったんだろうな、とヴァルスは少し情を移す。
あんなに酷いことをされているのに、シャオンはレチタティーヴォから離れようとしない。
レチタティーヴォが離れられないようにいろいろと試行錯誤したのか、と始めは思ってはいたが、レチタティーヴォがシャオンに手を出したのはそういう関係として付き合い始めて一ヶ月くらい経ってからだ。
その短い期間では、シャオンが身を委ねることはまずないだろう。ということは、付き合う前からの友人としての関係で深い絆ができたと言える。
そうでなければ、既に逃げ出しているに違いない。レチタティーヴォだからこそ、心を許してしまうのだろう。
「ねぇ……シャオン」
頬を摩り、身を寄せて耳元に息を吹きかけた。すると、シャオンは微かに息を漏らして身を捩る。
逃げられないように、それでも優しく、シャオンの身体を抱き締め、彼の耳を甘噛みした。
「ぁ、ふぁ!」
「シャオン……ひとつ聞いてもいいかな?」
「ん……?」
「……ボクに契約で魔力を渡されていた時、気持ちよかったんだよね」
「そ、それは……」
「ティオ兄さんとは違った味……また味わってみない?」
強引には告げないところか、逆に意地悪な質問が返された。
シャオンは困惑して目を逸らし、少し前のことを思い出しているようだった。
「……強制はしたくないんだ」
ヴァルスには確信があった。シャオンは絶対にこの誘いを受ける。なぜならば、彼の身体が自分を欲しているからだ。
少しでも触れれば、すぐに熱を灯らせてしまうシャオンの身体。それを昂らせているのはヴァルス自身。
その揺るぎない優越感に、ヴァルスは心の奥でクツクツと笑った。
「……い、いいのかな。ティオが怒ったりしないか」
そんなのは、始めから了承されている。でなければ、契約時に媚薬等渡したりはしない。
「大丈夫。ティオ兄さんなら許してくれるよーーさっきみたいな快楽が欲しくないかい?」
丁寧に振る舞い、追い打ちのように囁く。それでシャオンが陥落するのは目に見えていた。
口には出さないが肯定の意を表す視線を受け、ヴァルスが本格的に動く。
ベストを脱がせ、シャツのボタンを全て開き、露わになった鎖骨に唇を落とす。
「ん……」
「声、我慢しなくていいからね」
すぐに胸には触れず、Kissや首筋、耳を弄ってシャオンの興奮を促した。
「ん、ふぁ……、ゃあ!」
シャオンが乗り気になってきたのを確認し、ようやく胸へと舌を這わす。小さく響く喘ぎ声に耳を傾けながら、果実を舐めたり指で捏ねくり回した。
「気持ちいい?」
問えば、帰ってくるのは頷き。ほんのりと顔を赤くして羞恥する姿に、ヴァルスは支配的嗜好を抱く。
「されているのは君なのに、ボクも悦んでいるみたいだ」
角度を変えて舌を動かすと、夜音の声に甘さが増した。
「あ、あぁ……ん」
「へぇ、この動きに弱いんだ」
一度唇を離し、夜音に笑いかける。
「今みたいにイイところがあったら、そこが好きとか……そこがイイとか、指示していいんだよ?」
口調は優しいのに、シャオンはどこか命令されているような気がした。弱点は正直に晒して言葉にしろ、とでも言われているような。
「な、なに言って……」
「そしたら、ボクも君が望む通りにするから」
そう言って再び果実を口にした時、先程とは打って変わり、シャオンの性感を探らずに適当に動かす愛撫を始めた。
さっきの方が気持ちよかった、とシャオンは思いつつ、先程のヴァルスの言葉を思い出す。
言葉にするのは恥ずかしいが、言葉にしなければ先程のような快楽がもらえない。
「ヴァルス、いじわる、しな、ぁ、いで」
「なんか反応悪いね」
「さ、さっきみたいに……シて」
目を瞑って声に出せば、湊斗は愛撫を続けたまま尋ねた。
「さっきみたいにって? 具体的に言ってもらえないと……」
ヴァルスの悪質な返しに、シャオンは顔を真っ赤に染めて懸命に答える。
「その、角度を変えて舐めて。良いところがあったら……伝えるから」
「うん、分かった」
すると、欲しかった快感がすぐに襲ってきた。言わずとも、ヴァルスはそこがシャオンの弱点と知っている。それでも偶然を装って知らん顔して、シャオンに言葉にさせる。
「あ、イイ……そこ、んァ、それイイっ!」
「かわいいね、シャオン。そんなにココが好き?」
「んぁ、あっイイ……好き」
言葉にすればするほど、シャオンの興奮が増していく。
「シャオンは快楽が好きなんだね」
「いや、そんなっ、こ……と」
「好きじゃないの?」
ヴァルスは喉の奥で笑いを殺し、真面目な顔でシャオンと視線を合わせた。
「あ……えっと、その……」
「恥ずかしがらなくていいんだよ」
「……好き、だよ」
「素直だね、シャオン。そういうところも好きだ」
正直者にはご褒美を、と再三舌を這わせてシャオンに甘い声を出させる。
二つの果実をそうして丁寧に愛撫しつつ、片手で下肢に手を伸ばした。ゆっくりと服の上から秘部を撫で上げると、シャオンからは悲鳴のような声。
「ひゃああぁぁあ! そこ……イイっ!」
言いつけを守る子どものように、ちゃんと伝える仕草が可愛くて、ヴァルスの嗜虐心を更に煽る。
「へぇ、ココ好きなんだ」
ヴァルスは下着ごとズボンを脱がし、露わになった秘部にそっと息を吹きかけた。
「ひゃあ!」
「クス……敏感だね」
胸から手を離し、シャオンの大腿にKissを落とす。そして、やがては秘部に。
「あぁ、やっ、らめ……っ!」
「ねぇ……シャオンはどんな風にココを攻められるのが好きなの?」
「!?」
そんなこと……ティオのは聞いたりしないのに、と夜音は顔を赤らめる。
「指で抜き差しとか、玩具を入れるとかあるでしょ?」
シャオンの好みなど、ヴァルスはさっきの件で当に知っていた。それに確信を持ったのは、胸での愛撫の時。明らかに、舌を使った攻めにシャオンは弱い。
「……っ」
「教えて……そうすればシャオンの望むものを与えられるから」
シャオンの脚の間に身を挟んで、秘部に息を吹きかけながら問う。
「はずかしいんだけど……」
「でも、気持ちよくなるなら好きな方法が一番だと思うんだ。シャオンの一番が分からないから……」
あくまで優しい仲間を装い、シャオンの大腿を怪しく撫で上げた。
すると、観念したようにシャオンは耳まで赤くして「この前みたいに舌で舐めて」と言った。
「舌で……ね」
ヴァルスはクスリと笑い、シャオンの秘部に顔を埋めた。もう濡れているソコをペロリと舐め、入口を中心に周りもせめていく。
「ひゃ、ふぁ……ん!」
時折入口の上にある小さな性感帯に触れるが、集中的には舐めずにことを進める。
しかし、それはあまりにももどかしい刺激で、シャオンに物足りなさを感じさせた。
「っ、あぁ……はっ」
舌で秘部の性感帯を集中的に舐めて欲しい。これも口に出さなくてはやってもらえないのかと、シャオンが目で訴える。
すると、それだけで意図を察してくれたのか、ヴァルスは秘部の性感帯を継続して舐め始めた。
「あ、ぁあアアっ!?」
「クス、どうしたの? これが欲しかったんじゃないの?」
ヴァルスは故意に唇を離して顔を上げる。まだ続けて欲しいとばかりに、シャオンはヴァルスを見た。
「あ、ヴァルスぅ……いじわるしないでぇ」
涙目に訴えるシャオンの顎を掴み、ヴァルスは愛おしそうに頬へKissを落とす。
「じゃあ、言ってごらん? 『僕はヴァルスに秘部の性感帯を舐められるのが大好きです』って……」
「そ、そんなこと……」
「言わなくても好きなのは知っているけど、ボクはシャオンの口からちゃんと聞きたいんだ。君だって、気持ちよくなりたいでしょ?」
「……」
「ほら、言って……ね?」
そう言うとシャオンは、ヴァルスの背中に腕を回し、ヴァルスの耳元で呟くように必死で伝えた。
「ぼ、僕は秘部の性感帯を、なめられるのが、だい、すき……です」
ヴァルスはよくできました、と言わんばかりに再び秘部に舌を這わせ、性感帯を嬲りだした。
「ふぁああっ!? はぁァん! あ、イイ! すっごく、イイよぉっ!?」
喉を晒して叫ぶシャオンに、ヴァルスも気を良くして舌の動きを変える。性感帯を円を描くように舐めて、時折指でも弄る。
秘部からは、愛液が次から次へと溢れ、ヴァルスの顔とシーツを濡らす。
「?ぁる、やっぁ! あっ、あああーっ!」
「かわいい」
「あ、ヴァルス。今の角度好き……ッアああん、ゃあっ」
「こう?」
「あ、うん……イイ、気持ちイイっ!」
妖艶に啼くシャオンに、最早羞恥心などない。少し言葉攻めをやり過ぎたかな、とヴァルスは思った。
しかし、これならばシャオンから強請ってくるようになるだろうと勝利を得た表情を浮かべ、愛撫に集中する。
「足、もっと開いて」
「ん」
恥ずかしい素振りもなく、シャオンは指示に従う。調教していないのに、性奴隷のように動く。
「愛してるって言って啼いてごらん」
「あ、あい、し、てるぁあああっ、ふぁああっ!?」
「君はボクのものだよね?」
従順なシャオンが面白くて、舐めながら次の指示を出す。
「え、ぼくはてぃ、てぃおのっああん!」
名前を最後まで言わせず、諭すかのように舌の動きを早める。「そうじゃないよね?」と諌めるように。
「てぃ、ティオの……も、の」
「いや、違うよ夜音」
また秘部から顔を離して手で口元を拭い、不敵な笑みを見せた。
「う、やっぱり、言わなきゃ、だめ?」
「うん」
「い……いじわる」
「……あれ、そんなこと言っていいのかな?」
「え……」
ヴァルスは指で秘部を摩り、問いかける。
「欲しいんじゃなかったの?」
「っ!?」
「……気持ちよくなりたいよね?」
「あ、ああ……」
「ほら、教えた通りに言葉に出してごらん」
「ヴァルス、おねが、つづけてっ!」
「君は誰のもの?」
「……そんな、ひどいよヴァルス。僕は本当はティオの」
「ボクのものにならないとあげないよ?」
「……でもっ」
身体を委ねても、あくまで自分はティオのものだと思っていたいシャオン。その心情を知ってて、ヴァルスは言わせたかった。
昂ぶる熱がもっと欲しくて、シャオンは観念したように告げた
「…、イイ、おか、しく、なっ」

まだまだ快感の津波は終わらない。今のヴァルスは荒波だ。難破船のシャオンを何度も高波で弱らせ、やがて沈ませる。
シャオンを悦楽の海底に引きずりこむまで、ヴァルスは攻め続けるだろう。
「ああ、イきたいっ! もっと、もっと、ぼくを、きもちよく、してぇ、?ぁる、すっ! もっとホシイよぉ!」
大胆に懇願するシャオンに、ヴァルスは彼が渦潮に呑み込まれたと例えた。
そろそろ大波でトドメをさしてあげよう。そして、君は溺れて、深海に沈む。
たとえ泳いで海面から顔を出せても、周りに島や船などなく、嵐という悪天候の中では、君は沈むしかない。
逃げ場のない、この渺茫とした大海で潮に流されるだけ。
「シャオン、深海に引きずりこんであげるよ」
「え? ーーっひゃあああやぁあああっ!? あ、また……だめ、きもち、いい、クる……っ、きちゃうよ、?ぁるすっ!」
秘部を押し付けるように、シャオンは腰を揺らす。ヴァルスはシャオンの秘部に指を入れてかき混ぜながら、舌の愛撫を続けた。
「あっ、あ、ああん! らめ、イく、イく……イくぅっ!」
シャオンは弦のように背中を反って達した。その際、秘部に入れていた指が思いきり締め付けられ、ヴァルスはシャオンが深海に堕ちたと確信する。
そこまで激しいことをしたわけでもないのに、そのまま意識を飛ばしたらしいシャオンの頬に手を当てて、ヴァルスは彼の耳にKissをした。
「ようこそ、昏くて逃げ場のない……ボクの深海へ」
謎めいた言葉を囁き、ヴァルスは袖を使って口元を拭う。ヴァルスの起こす大きな津波に、シャオンはなす術もなく呑み込まれた。

 

End.…僕は、ヴァルスのもの。でも、一番はティオのものだ」
さすがは頭の切れる魔帝様と言ったところ。その答えならば、ヴァルスも百歩譲らなければならない。
「……クス、しょうがないなぁ」
折れたヴァルスは、再度秘部を舐め始めた。これ以降は喋らず、ただ誠実に愛撫を続ける。もう今までのように、中断はしないだろう。
「ひゃあ、あん、ふぁっ、ぃあ」
部屋に響くのは、シャオンの甘美な声と、秘部を舐める淫靡な水音だけ。
次々と押し寄せてくる快楽の波に、シャオンは身を任せる。
「やぁああ、ンぁ、き、きもち、よぉ、?ぁる、す!」
相手の名前を口にしながら、シャオンは無意識のうちに身を捩って快楽から逃れようとする。
本当は逃げる気なんてないくせに、ただこうして囚われていたいくせに、とヴァルスが大腿を固定して快楽から逃げられないようにした。
「ああ、イイ、おか、しく、なっ」
まだまだ快感の津波は終わらない。今のヴァルスは荒波だ。難破船のシャオンを何度も高波で弱らせ、やがて沈ませる。
シャオンを悦楽の海底に引きずりこむまで、ヴァルスは攻め続けるだろう。
「ああ、イきたいっ! もっと、もっと、ぼくを、きもちよく、してぇ、?ぁる、すっ! もっとホシイよぉ!」
大胆に懇願するシャオンに、ヴァルスは彼が渦潮に呑み込まれたと例えた。
そろそろ大波でトドメをさしてあげよう。そして、君は溺れて、深海に沈む。
たとえ泳いで海面から顔を出せても、周りに島や船などなく、嵐という悪天候の中では、君は沈むしかない。
逃げ場のない、この渺茫とした大海で潮に流されるだけ。
「シャオン、深海に引きずりこんであげるよ」
「え? ーーっひゃあああやぁあああっ!? あ、また……だめ、きもち、いい、クる……っ、きちゃうよ、?ぁるすっ!」
秘部を押し付けるように、シャオンは腰を揺らす。ヴァルスはシャオンの秘部に指を入れてかき混ぜながら、舌の愛撫を続けた。
「あっ、あ、ああん! らめ、イく、イく……イくぅっ!」
シャオンは弦のように背中を反って達した。その際、秘部に入れていた指が思いきり締め付けられ、ヴァルスはシャオンが深海に堕ちたと確信する。
そこまで激しいことをしたわけでもないのに、そのまま意識を飛ばしたらしいシャオンの頬に手を当てて、ヴァルスは彼の耳にKissをした。
「ようこそ、昏くて逃げ場のない……ボクの深海へ」
謎めいた言葉を囁き、ヴァルスは袖を使って口元を拭う。ヴァルスの起こす大きな津波に、シャオンはなす術もなく呑み込まれた。

End.

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